『カノジョは要らない服部先生! ~恋は面倒なんて言ってホントは愛が重すぎる~』は、同人サークル「鋼鉄しゃぼん玉」の玉ぼん先生の漫画作品。
男性教師と女子生徒の関係が描かれますが、背徳さよりも、緻密なストーリーで感動的な純愛をテーマにしたラブコメです。
本作は、DLsiteがるまに(女性向け)で2024年のDLsiteアワードを受賞した話題作。玉ぼん先生は主に男性向け作品で知られていますが、この作品は性別を問わずおすすめできる作品です。
この記事では、『カノジョは要らない服部先生! ~恋は面倒なんて言ってホントは愛が重すぎる~』の作品情報と配信状況、あらすじ、登場人物、見どころ、関連作品についてご紹介していきます。
『カノジョは要らない服部先生! ~恋は面倒なんて言ってホントは愛が重すぎる~』作品情報と配信状況
作品名 | カノジョは要らない服部先生! ~恋は面倒なんて言ってホントは愛が重すぎる~ |
サークル | 鋼鉄しゃぼん玉 |
作者 | 玉ぼん |
配信状況 |
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本作は、DLsiteがるまに専売となっています。
『カノジョは要らない服部先生! ~恋は面倒なんて言ってホントは愛が重すぎる~』あらすじ
女子校生・糸村結衣ちゃんには、好きな人がいます。
それは、クラスの担任・服部先生。
服部先生はいつも”恋人”がいるアピールをしているので諦めていましたが、偶然にもその秘密を知ってしまいます。
先生が言う”恋人”は、大人のおもちゃだということ!
結衣ちゃんは思い切って告白すると、「恋愛は面倒」だと断られてしまいますが、それでも諦めずにグイグイ迫ると──
『カノジョは要らない服部先生! ~恋は面倒なんて言ってホントは愛が重すぎる~』登場人物
服部 成一郎(はっとり せいいちろう)
28歳の化学教師。
いつもボサボサの髪、ヨレヨレの白衣。
左手の薬指に銀色の指輪をして、恋人がいるアピールをしていますが、それは恋愛ごとが面倒だからこそのカモフラージュ。
その背景には複雑な家庭環境がありました。不倫を繰り返した父と、その影響で精神的に病んだ母からの強い執着を受けて育ったためです。
また、登山が趣味で、写真家になる夢を挫折した過去があります。
それでも現在は、生徒たちからの評判も良い教師です。
糸村 結衣 (いとむら ゆい)
服部先生が担任を務めるクラスの女子生徒。
明るく前向きな性格で、友人も多く、成績も優秀。ファッションデザイナーになりたいという夢を持っています。
しかし、夢にこだわるあまり、制服をアレンジ。以前の担任に注意される度に憂鬱な気分になっていました。
服部先生に初めて呼び出されたとき、意外にも夢を応援してくれたことから、好意を抱いています。
『カノジョは要らない服部先生! ~恋は面倒なんて言ってホントは愛が重すぎる~』見どころ
カテゴリーに縛られない純愛の物語
本作は女性向けとなっていますが、そういったカテゴリーにとらわれず、幅広い読者に届いてほしいと思える一作です。
どのあたりが女性向けなのか?と考えると、
- 関係性の主導権を握る、包容力ある男性キャラクター
- 見た目にも圧倒感を与えるがっしりした体格描写
- 行為のあとに描かれる、繊細な気遣いや穏やかなやりとり
作者の玉ぼん先生は、もともと男性向け作品で知られる作家ですが、本作でも得意とする緻密なストーリー構成と幸福感のある純愛は健在。ラブコメとしてのテンポの良さもあり、性別やジャンルに関係なく楽しめる魅力があります。
服部先生の格好良さと重さ
服部先生は、普段はだらしがない見た目ですが、ちゃんとすると格好良い!
「ちゃんとしたらそこそこモテる」の発言を結衣ちゃんは信じないほど、普段とのギャップが大きいみたいで、格好よくした時の周囲の反応も面白いですね。
また、「恋愛が面倒」と語りますが、結衣ちゃんに本気になったときは、こまめに連絡するし、並々ならぬ執着心を見せます。目のハイライトが消える瞬間にはぞくっとさせられるほど、良い意味の重さがあります。
物語の後半、結衣ちゃんとすれ違ったとき、「好きだということを身体でわからせてやる」からの重さが最高です。
それでいながら、彼女を大切にしている大人の気遣いも見せてくれるんですよね。
服部先生の人格や性格は、そのようになっている背景もちゃんと語られるので納得感があります。作られた感のあるキャラではなく、等身大の大人の男性として、非常に魅力的に描かれています。
結衣ちゃんの一途さと乙女心
一方の結衣ちゃんも、とにかく可愛い!
彼女のいちばんの魅力は、一途なところ。
将来の夢であるデザイナーを目指して、問題視されながらも制服のアレンジを貫き通す姿勢には、自分の信念を持った芯の強さがにじみます。
恋愛においても、服部先生に恋人がいないと分かった瞬間から積極的にアプローチを仕掛けます。だからこそ、服部先生の心の扉を開けることができたんだと思いますね。
しかし、ただ前のめりなだけではなく、物語の後半では傷つき、言葉が出せずにメッセージを消しては書き直す。そんな揺れる乙女心も見せてくれます。
読む進めるほど、ただの明るい子ではない、リアルな感情を抱えた女の子だと気づかされます。
私の太陽
本作は、教師と生徒の関係性を軸にしながらも、いわゆる背徳感やスキャンダルを煽るような描写はありません。
また、公式の作品紹介で純愛ハッピーエンドであることが明かされていますが、それは「両想いになった」「付き合った」という単純な終着点ではありません。
描かれるのは、夢破れた者と夢を追う者という視点で、二人が結ばれた先の幸せ。
ラストのページをよく見ると、「私の太陽」という言葉があります。そこに込められた意味に気づけると、服部先生にとって結衣ちゃんがどれほど大切な存在になったのか、その想いの深さに感動できるはずです。
指輪に込められた想い
指輪の描写も印象的で、服部先生の想いがそのまま現れています。
最初は恋人がいると思わせるカモフラージュだったもの。
しかし、ラストでは結衣ちゃんとの関係を象徴したものになります。
物語の中盤、二人は占いの結果を受けて左手の薬指に赤い糸を結ぶシーンがありました。服部先生はふざけていましたが、最終的にその糸をさりげなく持ち帰るんですよね。
ここが、服部先生の想いが結衣ちゃんに向いた伏線として描かれています。のちに、服部先生がペアの指輪を用意するのですが、その時から行動に移していたと思うと、熱いですね。
『カノジョは要らない服部先生! ~恋は面倒なんて言ってホントは愛が重すぎる~』関連作品
ボイスコミック
本作は、追加ボイスも購入することで、ボイスコミックとして楽しむことができます。
キャラクターのセリフはもちろん、コマ外のモノローグや感情の揺れも丁寧に表現されており、まるで物語に命が吹き込まれたような臨場感が味わえます。
特に印象的なのは、服部先生の気だるさや距離感を感じさせる低めのトーンと、感情が露わになる場面での迫力。
一方で、結衣ちゃんの可愛らしさや感情の起伏も丁寧に演じられており、二人のやりとりがよりリアルに、より深く伝わってきます。
漫画単体でも十分に物語として完成度が高いのですが、音声付きで楽しむことで、感情の繊細な機微や心の動きがさらにクリアに伝わってきます。必聴ですよ。
まとめ
この記事では、『カノジョは要らない服部先生! ~恋は面倒なんて言ってホントは愛が重すぎる~』の作品情報と配信状況、あらすじ、登場人物、見どころ、関連作品についてご紹介してきました。
次回作を制作中とのことで、服部先生と結衣ちゃんの物語がまた見れるなんで嬉しいですね。
ぜひ参考にしていただき、玉ぼん先生を応援していきましょう。