『厄介払い』は、鳥居ヨシツナ先生の商業漫画作品。
直向きに目指していた夢が破れた少女と、そんな彼女を恋人が慰める物語。切なくも温かい青春ドラマが好きな方におすすめの一作です。
この記事では、『厄介払い』の配信状況や見どころについてご紹介していきます。
『厄介払い』配信状況
作品名 | 厄介払い |
作者 | 鳥居ヨシツナ |
掲載誌 | COMIC快楽天 2025年06月号 |
配信状況 |
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『厄介払い』見どころ
ここからは、なるべくネタバレを避けながら、『厄介払い』の魅力についてご紹介します。
夢が破れた少女を恋人が慰める物語
物語の舞台は、廃部が決まった軽音部の部室。
休日、部室の片付けを一人で進めていた恋指(こゆび)ちゃんと、そんな彼女を心配してやってきた恋人の弦(いずる)くん。
部費で買ったドラムやアンプは既に先生に粗大ゴミとして捨てられ、文房具などは返却するために整理するという、不憫な状況です。
実は軽音部はもともと4人で活動しており、配信した動画も注目を集めるほど順調なバンドでした。
しかし、メジャーレーベルにボーカルだけが引き抜かれ、残されたメンバーは次々に退部。恋指ちゃんだけが取り残されていました。
本作の物語は、そんな恋指ちゃんを弦くんが慰めるお話となっています。
彼女を支える”できた彼氏”
こんな状況でも軽口を交わせるふたりは、恋人としての関係も安定しています。
しかし、恋指ちゃんにとっては、夢だったメジャーデビューが潰え、これからは進学という現実に向き合わなければならない大きな転機の中にいます。
表向きは強がっているものの、気持ちの整理がついているわけではないのは明らかです。
そんな彼女が「慰めてほしい」と伝えると、弦くんはただ応えるのではなく、恋指ちゃんの性格を理解したうえで、対応していくんです。
ギリギリまで本音を言わず、ひとりで抱え込みがちな恋指ちゃんに対して、弦くんは焦らず、ちゃんと話ができる雰囲気を作ってあげる。そんな気遣いがとても自然なんですよね。
口癖のように「できた彼氏だろ?」と余裕のある態度で語る弦くんですが、その言葉通り、彼はすべてを見通しているかのよう。彼によって恋指ちゃんの可愛らしさが引き出されていると言って過言ではありません。
感情を吐き出して前向きに
弦くんは、強がる恋指ちゃんの背後からそっと寄り添い、汗をぬぐうように顎を持ち上げて優しくキスをします。恋指ちゃんは一瞬でおとなしくなるのが良いですね。
そうやって雰囲気を作ると、ようやく彼女も今の心境を素直に語り始めるんです。
今まで頑張ってきて、夢を見せられて、結局「何も残らなかった」と号泣する恋指ちゃん。鼻水の量が、感情を全て出し切ったのを物語っていると思います。
弦くんは余計な言葉をかけず、彼女の感情を全て受け止めているのが良いですね。傷ついた恋指ちゃんを前向きな気持ちへと導いていく姿に、彼の頼もしさと優しさが際立ちます。
夢にひたむきな恋指ちゃんと、現実を冷静に見つめる弦くん。まるで補い合うようなふたりの関係性が、温かく心に残る物語です。
まとめ
この記事では、『厄介払い』についてご紹介してきました。
ぜひ参考にしていただき、鳥居ヨシツナ先生を応援していきましょう。